(解説)
1.品質リスクマネジメントについて、説明して行きます。
2.品質リスクマネジメントは製品の品質リスクを特定し、
その品質リスクを低減する管理手法です。
3.品質リスクマネジメントは、品質リスクアセスメントと
品質リスク対応で構成されています。
4.製品の品質問題による苦情やリコールは、時として企業
の存続にも係る大問題に発展する場合が有ります。
5.製品の品質問題を無くす為に、品質リスクマネジメント
が非常に重要となります。
(解説)
1.品質リスクアセスメントについて、説明して行きます。
2.品質リスクアセスメントは、製品の品質問題について
把握する手法です。
3.品質リスクアセスメントは、下記のプロセスから構成
されています。
・リスク特定
・リスク分析
・リスク評価
4.QC活動の現状把握と同じと考えると、理解し易いと
思います。
(解説)
1.リスク特定について、説明して行きます。
2.リスク特定は、製品の品質問題を特定するプロセス
です。
3.リスク特定では、製品毎に下記3点を考えます。
赤字は成型工程の事例です。
・発生する製造工程 → 成型工程
・発生する品質問題 → バリが発生
・考えられるの影響 → 顧客が怪我
4.上記の様に、製品毎に工程別で、一つ一つ品質問題を
考えて行くことが重要です。
(解説)
1.リスク分析について、説明して行きます。
2.リスク分析は、製品の品質問題について発生頻度と
危害の程度を分析するプロセスです。
3.リスク分析では、製品毎に下記2点を考えます。
・発生頻度 (6段階評価:0〜5)
・危害の程度(5段階評価:0〜W)
4.評価基準を決める事は容易では有りませんが、何らか
の評価基準が必要となります。
(解説)
1.リスク評価について、説明して行きます。
2.リクス評価は、製品の品質問題について発生頻度と
危害の程度から評価するプロセスです。
3.リスク評価では、製品毎にR−Mapで評価します。
4.R−Mapは、縦軸に発生頻度、横軸に危害の程度を
記入したマトリックス図です。
5.R−MapをA、B、Cに区分しランク付けします。
・Aランク: 最優先で取り組む
・Bランク: Aランクの次に取り組む
・Cランク: 取り組む必要が無い
(解説)
1.品質リスク対応について、説明して行きます。
2.品質リスク対応は、製品の品質問題について品質リスク
を低減する手法です。
3.品質リスク対応は、下記のプロセスから構成されて
います。
・管理策
・残留リスク
・モニタリング
4.QC活動の対策実施、効果確認と同じと考えると、理解
し易いと思います。
(解説)
1.管理策について、説明して行きます。
2.管理策は、発生頻度を低減する方法を検討します。
3.事例として、成型工程のバリ発生を記載します。
・発生対策: 金型の定期メンテ
・流出対策: 検知カメラの設置
4.上記の様に、発生対策と流出対策が有る場合は、これを
両方とも検討する事が必要です。
5.また可能な限り、作業者に頼った対策は避けましょう。
(例、作業者による検品強化など。)
(解説)
1.残留リスクについて、説明して行きます。
2.残留リスクは、上記の管理策を実施した後に残るリスク
の事です。
3.成型工程のバリ発生が管理策により、下記の様になった
とします。
・対策前: 1回/日×軽傷(品質リスク5T)
・対策後: 1回/月×軽傷(品質リスク3T)
4.品質リスクは5T→3Tに低減しましたが、まだ残って
いるリクスが、品質リスク3Tです。
5.この品質リスク3Tを残留リスクと言います。
(解説)
1.モニタリングについて、説明して行きます。
2.モニタリングは、上記の管理策を実施した後の効果を
確認する事です。
3.往々にして管理策を実施したのみで、その効果確認を
行わない場合が有ります。
4.管理策は人間が考えた物ですから、無効又は効果が
少ない時も考えられます。
5.管理策の有効で無い場合は、直ちに管理策を改善する
必要が有るので、モニタリングは非常に重要なプロセス
となります。